佐賀県鹿島市にある祐徳稲荷(ゆうとくいなり)神社は日本三大稲荷のひとつとも言われ、多くの参拝客が訪れる神社です。
初詣にも人気の神社なので、「祐徳稲荷の名前を聞いたことがある」という方は多いのではないでしょうか?
九州では平常時で太宰府天満宮に次ぐ年間300万人もの参拝客数があり、パワースポットとしても知られています。
実は私も神社の名前はよく知っていましたが参拝したことがなく、主人と初めてお参りに行きました(汗)
祐徳稲荷神社にお参りするとどのようなご利益があるのか?参拝の仕方や見どころもあわせてをご紹介します。
祐徳稲荷神社の由緒とご利益
祐徳稲荷神社は、貞享4年(1687年)に肥前鹿島藩三代藩主直朝の夫人である花山院萬子媛が、朝廷の勅願所であった稲荷大神から分祀して創建した神社です。
ご本殿に祀られているのは、
- 倉稲魂大神(ウカノミタマノオオカミ) 穀物の神様で生活全般の守護神、稲荷神(いわゆる「お稲荷さん」)
- 大宮売大神(オオミヤノメノオオカミ) 天宇受売命・天細女命(アメノウズメノミコト)とも呼ばれる技芸上達、福徳円満の神
- 猿田彦大神(サルタヒコノオオカミ) 道の神であり水先案内、交通安全の神
主なご利益としては、商売繁盛、家運繁栄、大漁満足、交通安全が挙げられます。
公式サイトなどには載っていませんが、地元では太宰府天満宮とともに縁切りの神様としても知られています。
このほかに、祐徳稲荷神社を創建した萬子媛を祀る石壁社や倉稲魂大神のお使いの白狐を祀る命婦社、縁結びの神様である岩崎社などがあります。
参拝の方法
神社の前には錦波川(きんばがわ)が流れ、地図の中ほどにある参集殿の前の鳥居をくぐる道はお土産などを売っている門前町に繋がっています。
門前町の先にも祐徳稲荷神社の駐車場があり、私たちはそちらに駐車しました。
楼門とご本殿
鎮西日光と称される祐徳稲荷神社の楼門とご本殿は色鮮やかな総漆塗りになっています。
さらに楼門の中の随神は有田焼でできており、壁面には菊、牡丹、金襴手(きんらんで)など美しい装飾の施された磁器ならぬ磁板がはめ込まれています。
祐徳稲荷神社を訪れたら、楼門をくぐる前にこれらの装飾をじっくりと見てみたいですね!
楼門をくぐると右手に見えるのがご本殿です。
ご本殿は山を少し登ったところに建てられているため、階段かエレベーターで登ってお参りします。
御朱印がほしい場合は、ご本殿に向かう前に受付に御朱印帳を預けてくださいね!
番号札をもらえるので、参拝が終わったら受け取りに行きましょう。
エレベーターは有料(1人300円)ですが、利用券を持っていればその日のうちに何回でも乗ることができます。
私が参拝した時には知らずに利用しなかったんですが、エレベーターに乗るとパワーストーン付きのおみくじがもらえるので、実は乗った方がお得ですね!
石壁社と命婦社
ご本殿からさらに進むと石壁社と命婦社があります。
石壁社(せきへきしゃ)は祐徳稲荷神社を建てた花山院萬子媛を祀る神社です。
横にある水鏡は花山院萬子媛が自らこの神社に仕えていた時に占いに使ったとされ、水鏡を見て村人が訪ねてくるのを予知したというエピソードがあります。
命婦社(みょうぶしゃ)は、19世紀初期の代表的な建築物として佐賀県の重要文化財に指定されています。
ここに祀られているのは、天明8年(1788年)京都御所の火災の際に花山院邸の消火に現れたと言い伝えられている稲荷神の使いの白狐です。
九州の祐徳稲荷神社からはるばる京都にある萬子媛の故郷の危機を救いに行くなんて、素敵なお話ですよね!
奥の院(奥命婦社)
さらに山を登ったところにあるのが奥の院です。
奥の院はパワースポットとしても知られ、ここからは有明海を望む絶景が見られます。
私が参拝した日はあいにくの曇り空でした…
ご本殿からは300mとされていますが、勾配があるため歩いて20分から30分ほどかかります。
私は運動不足で体力もないので登るだけで息切れしてしまい、到着した時には自販機に飛びつきました…
こちらはご本殿とは違ってバリアフリーにはなっておらず、石段を歩いて登ることになるので運動靴を履いて参拝されることをおすすめします。
ぜひ入手したい「うまくいく守」
祐徳稲荷神社にはたくさんの種類のお守りがありますが、中でもよく知られているのが馬が描かれた「うまくいく守」です。
お稲荷様の縁日が午の日であることから作られたこのお守りは、何事もうまくいくよう導くとされている大変ありがたいお守りです。
お守りがたくさんあると迷ってしまう!という方は、祐徳稲荷神社のオンライン授与所もあるので、実際にお参りにいく前にどんなものがあるのか確認しておくとスムーズに参拝できますよ。
オンライン授与所では、お守りやお札、御朱印などを取り扱っています。
日本庭園と外苑の花を楽しむ
祐徳稲荷神社の境内にある日本庭園は入場料200円で四季折々の花々が楽しめます。
春には牡丹や花菖蒲、夏には紫陽花やさるすべり、朝顔、秋の紅葉、冬には梅の花や寒牡丹が見られ、どの季節に訪れても素敵な花を見ることができます。
私が行ったのは10月の初め頃でしたが、いろいろな種類の綺麗な朝顔がたくさん咲いていました。
駐車場裏にある外苑(東山公園)(入場無料)では広大な敷地内に咲き乱れる春のツツジと藤の花、秋のコスモスが絶景なので、満開の時期に合わせて参拝したいですね。
アクセス情報
所在地 佐賀県鹿島市古枝乙1855
電話 0954−62−2151
●県内から《車》で行く場合
長崎自動車道武雄北方ICまたは嬉野ICから30〜40分
国道207号鹿島バイパスを久保山北交差点または大村方交差点から南に入ると参道(門前町)の先の駐車場が見えてきます。
無料駐車場(3000台)有り
●福岡方面から《JR+バス(タクシー)》で行く場合
特急「かささぎ」または普通列車で肥前鹿島駅へ行き、
祐徳バス 肥前鹿島駅前の鹿島バスセンターから祐徳神社行きまたは奥山行きで約10分(330円)
タクシーなら10〜15分
●長崎方面から《西九州新幹線+バス(タクシー)》で行く場合
西九州新幹線 嬉野温泉駅から
※西九州新幹線「かもめ」は一部嬉野温泉駅には停車しません。
祐徳バス祐徳神社行き(1時間に1本)で約40分(930円)
タクシーなら25〜30分
西九州新幹線 武雄温泉駅から
祐徳バス祐徳神社行き(1〜2時間に1本)で約50分(940円)
タクシーなら30〜40分
●東京から《飛行機+タクシー》で行く場合
佐賀空港からリムジンタクシー(要予約)で約50分(片道3000円)
※佐賀空港から佐賀駅を経由してJRを利用する経路は、バスから電車への接続が悪く時間帯によっては2時間ほどかかってしまうのでおすすめしません。
泊まりがけなら嬉野温泉や武雄温泉駅などの温泉地からバスや車で行くのもおすすめです!
私は車で行き、参拝後は嬉野温泉の宿に泊まりました。
まとめ
- 商売繁盛、家運繁栄、大漁満足、交通安全のご利益がある
- 楼門と本殿は漆塗りと有田焼でできた美しさ
- 石壁神社には創建者の花山院萬子媛、命婦社には稲荷大神の使いの白狐が祀られている
- 奥の院からは絶景が望めるが、運動靴での参拝がおすすめ
- うまくいく守は万能なお守り
- 日本庭園や外苑では季節ごとに美しい花々が楽しめる
私は事前に何も知らずに参拝してしまいましたが、調べてみると萬子媛や白狐にまつわる不思議なエピソードがあり興味深かったり、花の見頃にまた訪れたいなと思わせてくれる神社でした。
西九州新幹線も開通してよりアクセスしやすくなった祐徳稲荷神社にぜひ一度参拝してみてはいかがでしょうか?
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